不条理感覚な映画など

「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」「ダークシティ」「トゥルーマンショー」・・・(これに「マトリックス」一作目の前半までを加えてもいいかもしれない。)これらの映画に共通するテーマをどう云えばいいだろうか。擬似現実、仮想現実、ヴァー…

チェスタトン

「世界は驚異の事物に飢えることはない。ただ驚異の念に飢えるだけである。」「神秘主義の真髄は、結局あらゆるものの貴重さ、かけがえのなさを痛いほど感じるということにつきる。」

わがあるを

わがあるを打消す如く砂にいまつけて来し跡を風が吹き消す (日影丈吉「夕潮」)

末期の眼

「特別なきっかけもなく脈絡もなく、ふだん心を占めている関心や問題が脱落した折りに、われわれの胸の中をどのような風がよぎるものか。もし、われわれから家族・金銭・地位・つきあい・衣食住・趣味・主義・宗教その他、あらゆる人生の詰め物を抜き取った…

物差し自体

「・・・人がある事実に驚くことができるのは、それが事実でないことも想像可能な場合だけである。それとの対比において、ある事実に驚くわけである。ところが、世界が存在しないことは想像できない(それがどういう想像だか、そもそもわからない。)。だか…

キケロ

しばしば見るものについては、たといそれがいかにして起こるか不明でも、驚嘆しない。かつて見たことのないものは、もしそれが起こると、奇奇怪怪と見なす。(キケロ)

意味の実存的基準

「ある命題は、人が、それのために生き、それのために死にたいと思うようなものである限り、意味を持つ。」(キルゲゴール)

何すれば

何すれば此処に我ありや時にかく打ち驚きて部屋を眺むる(啄木)

かうしては

かうしては居られずと思ひ立ちにしが戸外に馬の嘶きしまで (啄木)

考へれば

考へれば、ほんとに欲しと思ふこと有るやうで無し。煙管をみがく。(啄木)

ヴィトゲンシュタイン

6・4312「人間の魂の時間的な不死性、つまり魂が死後も生き続けること、もちろんそんな保証はまったくない。しかしそれ以上に、たとえそれが保証されたとしても、その想定は期待されている役目をまったく果たさないのである。いったい、私が永遠に生き続けた…

永井均

「道徳性なしには真の幸福はないのだとしても、それが単なる事実問題なら、多くの場合、概してそうである、というだけのことなのだから、道徳性ぬきで幸福であるような人も存在しうることにはなる。そして、もしそういう人がいたとしたら、そういう人に関し…

福田恆存の合理主義

「太宰治は恥でもないものを恥と仮説した。悪でもなんでもないことを悪とおもいこんだ。それゆえ、かれの十字架や神は、はなはだ低い位相に出現する。あたかも自然主義の作家たちが情欲を醜悪と見なすことによって、低級な精神主義を発想せしめたのと似てい…

福田恆存とチェスタトン

ネットで福田恆存について調べてたら福田はチェスタトンの「正統とは何か」を訳してたことに気づいた。よく見たら、ブラウン神父ものやポンド氏の逆説も訳してる。チェスタトンファンの自分が福田に共感を覚えたのもそれなりの理由があったわけだ。もっと福…

福田恆存

福田恆存の「私の幸福論」を読む。まだ拾い読みした程度だが、「幸福論」と名のつく本を読んでいて共感したのはショーペンハウアーの「幸福について」以来か。快楽主義の行き詰まりと虚しさに関する記述は読んでいて身につまされることしきり。社会主義的ユ…

朔太郎の日記

朔太郎全集 日記二月四日の日記より此頃まるでMUSICに対する興味を失った。すべてのものに対する興奮と愛執を失った。今尚残って居るのはSEXと旅行の憧憬だけである。失われたローマンスをたづねて寂しい巡礼がして見たい。朔ちゃん・・・

クリスマスのるさんちまん

クリスマスとは何ぞや我が隣の子の羨ましきにそが高き窓をのぞきたり。飾れる部屋部屋我が知らぬ西洋の怪しき玩具と銀紙のかがやく星星。我れにも欲しく我が家にもクリスマスのあればよからん。耶蘇教の家の羨ましくおるがんの唱歌する声をききつつ冬の夜幼…

男は現象、女は実体

「やがて消えゆく我が身なら」池田清彦 からの引用。免疫学者の多田富雄の名言だそうだ。ショーペンハウアー的にいえば、男=表象 女=意志ってことになろうか。似たようなことを稲垣足穂もどこかに書いていた。たしか「男は存在学的、女は存在的」だったか…

ウェイクフィールド

ホーソーン「ウェイクフィールド」読む。なるほどオースターが影響を受けたというだけあって、「シティオブグラス」「幽霊」などを彷彿とさせる雰囲気。この短編はボルヘスのお気に入りでもあったらしいが、彼はどういう面白がり方をしていたのだろう。(「…

加門七海

加門七海という作家がいる。私はこの人の小説は読んだことはないが、「怪談徒然草」等の実話?怪談を読んだことがあり、次から次に繰り出される心霊体験に唖然としたものだ。彼女は所謂「見える人」なのだ。彼女にとって霊魂の存在はほとんど日常の生活の一…

スマリヤン

霊やあの世の問題と宗教の関わりで思い出したが、論理学者のスマリヤンがどこかで次のようなことを書いていた。仮に霊魂や死後の世界があったとしても、必然的に神が存在するとは限らない。逆に神が存在するとしても、必然的に霊魂や死後の世界が存在すると…

プラグマティズム

W・ジェームズ「プラグマティズム」(岩波文庫)を読む。「すべて実在するものはわれわれの実行の上に影響をおよぼすもので・・・その影響こそ実在するもののわれわれにとって有する意味なのです。・・・もし二者のうちこれか或いはあれかが真であるとしたら…

月に吠える

ブログタイトルは萩原朔太郎「月に吠える」から。ばついちの独身中年男が月に向かって吠えるように、日々の魂の叫びを綴ってまいりたいと思います。たぶん吠えるというような威勢のいいものにはならず、ただの呟きのモノローグに終始すると思いますけれど。