2008-01-01から1年間の記事一覧

世界で最初の言葉

「顔を顰め、むずかつている赤ん坊が、若しその理由を云いきり得たら、それは世界で最初の言葉だ。」 (「死霊」埴谷雄高) 「ところで、この世に生まれ出たそのとき、私たちはなぜ泣いたのであろうか。残念ながら、私たちのおそらく誰もが、そのときの心持ち…

不条理と神秘

人間が何の理由も無く突然生まれ、消滅する世界だったらどうだろう。それは不条理というものである。性というものが新しい生命を創造することの神秘も同じことだ。細胞が老化し、やがては死滅することの神秘も同じことだ。それがなぜだかはわからない。「そ…